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Online cooperative – 共同ライティングツール

Posted on August 21, 2017 by proedit

近年、新しい論文執筆方法として、クラウドベースのライティングプラットフォームが次々と紹介されていますが、
共通して、これらのツールは、オンライン上で共同執筆プロセスを容易に管理できるようなデザインになっています。
実際のところ、この目的に特化した共同執筆ツールは現在どれくらい使用されているのでしょうか。

まず、これらの共同ライティングツールでよく知られているのは、Authorea、ShareLaTeX、Overleaf など、
いわゆる、「オンラインLaTeXエディター」ですが、
オンライン上で文書を同時に執筆、編集することを可能にする点では、Google Docs と同じかと思われます。
ただ、これらが従来のワープロソフト、さらには Google Docs に比べより優れているとされるのは、これらのツールが、
研究者向けにデザインされたより専門的なツールであるという点です。
例えば、文献管理ツールと連携されているので、参照文献リストが簡単に作成できます。
また、Overleaf などは、出版社と提携しているので、投稿規定を気にせず(フォーマットを使用)原稿を書き上げ、
その原稿は、そのまま直接出版先に投稿できるようになっています。
あと、数式なども容易に組みこむことができ、文献、図表、ソースコードをアタッチしたりと、データ管理もシェアできることも、
大きな利点ではないでしょうか。実際、海外の大学、研究機関の図書館で、機関版を契約するところが増えているようです。

これらのツールが2012年頃から次々と登場して以来、利用者は増えてきている、ということでしたが、
(参照: Scientific writing: the online cooperative [日本語版] TOOLBOX: オンライン共同執筆ツール
実際どれくらい広まっているのでしょうか。
その疑問に答えるべく、ユトレヒト大学図書館が、「学術コミュニケーション・ツールの利用に関するアンケート調査」を
実施しています。その2015−2016年の調査結果によると、
Microsoft Word を使用する研究者は57.4%、Google Docs は20.5%だったそうです。注1)
数学系でよく使われる LaTeX も使用が多く、11.6%でした。
気になるオンラインツールに関しては、Overleaf が1.2%、Authorea が0.9%と、まだ低い割合にとどまっていました。

会ったこともない共同研究者と研究を進め、共同執筆した経験がある方も多いと思います。
現在、どんどん国境をこえたコラボレーションが盛んになるなか、共同執筆者の数も増え、
それぞれの所属機関も国内の研究機関から海外の研究機関まで広がっています。
論文出版に関しては近年様々な変化が見られますが、
科学論文の執筆や出版の方法を根底から変えたいという動きがあるようです。
実際、多くの出版社が論文投稿システムとOverleafとの連携を進めているそうです。
しかし、Overleaf に関しては、米国、英国で利用者が多く、日本の利用者数は全体の約1%に過ぎないそうです。 注1)
研究環境も変わり、新しいテクノロジーとともに、学術コミュニケーション状況も変化している、そのめまぐるしさに驚かされます。



英文校正 • 医学翻訳 のPEJブログより


注1)参照:https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/60/1/60_43/_pdf
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